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    かけはし2021年2月1日号

去れ!棒読み総理


コラム「架橋」

 「総数36万2607人、死者5077人」1月24日の新型コロナ感染者数統計(マスコミ報道)。昨年4月、感染者数が1万人を突破し、全国一斉の非常事態宣言。「時短・休業要請」全国一斉休校、テレワーク、不要不急の外出禁止等々。失政を覆い隠す強権的な政権に迎合し「自粛警察」が登場し人々の恐怖を掻き立てた。
 7月からの「第二波」、10月からの「第三波」のグラフの山の高さと比較しその小さき山に今更のように驚いてしまう。5月25日に宣言が解除されたが、感染症対策の専門家、医師が口々に「冬場の感染期に向けての準備期間だ」と、しっかりとした対策を政治が取ることを訴えていた。
 その重要な時期に安倍が辞任し、後継者選びに「5派閥連合」神輿を担ぎ後継者「菅政権」誕生劇に費やされた。
 「二兎追い路線」のもと、人の移動を制約する「不要不急以外の外出自粛」を強要しつつ、一方で「35%国の補助!お土産付きの旅!美食観光旅行」で観光地へと誘う。相矛盾した政策が感染を全国に広げ波が第二の波、第三の波と巨大化していったのは周知の事実だ。
 しかも、「Gotoキャンペーン」は非常事態宣言下の4月に「1兆7千億円」もの巨額の資金投入する「需要喚起事業」の名目ですでに予算化していた。巨額の予算の大半を占める「Gotoトラベル事業」の運営委託先は、二階幹事長が会長である「全国旅行業協会」等、大手旅行代理店等の団体であり筋書きどおりの展開だ。社会の混乱に乗じて「経済政策」と語り大資本のぼろ儲けを作り出す「政治」に腹が立つ。
 菅政権は、コロナ感染の急拡大のなかで「Gotoキャンペーン」に対する批判が拡がると「Gotoが感染拡大したと言うエピデンスではない」と言い張った……最近、政治家や官僚が、不都合なことを覆い隠す時にやたらと飛び出す「横文字」。こじゃれた言葉を使わずとも「証拠」と言う言葉で済む。証拠の「捏造」「改竄」「隠蔽」に「嘘も方便」が染みついた安倍の大番頭「後継者」自認の菅首相に、人々に「真実」を語ること等ありえない。
 「私自身、就任の際、今日にいたるまで国民の命と暮らしを守ると。そして雇用を確保して事業を継続させること。それが最大の責務であると申し上げてきております」。
 某番組の「この3カ月間のコロナ対策は十分だったか?」に、質問に全く答えず「自説」をとうとうと語る「鉄面皮」。
 昨年6月、こんな言葉を発した大臣がいる。「うちの国は国民の民度が違う」と。国が命令しなくとも国民の「自助努力」が死亡者数の少ない要因だと言う。これが、第二波、第三波の感染の急拡大は「Goto」を始めとする国の政策ではなく「国民の気の緩み」が生みだしたことにする。すべてを自己責任論へ収斂させていく。
 菅政権の「特別措置法」「感染症法」の改正案は、時短要請に応じない飲食店への過料、入院措置を拒んだ感染者への懲役刑等の罰則を導入する。
 いまも、事業者は十分な補償対策はなく、感染者は十分な医療と保護すら受けていないのだ。「厳罰」によってコロナ感染が縮小するとでも思っているのだろうか? 
 街頭インタビューで20代の女性が「高級料理店で会食したりする人の言うことは信じられない」と話していた。全く同感だ。人々の信頼を失った政治は、もはや政治とは言えない。棒読み総理よ!直ちに去れ!  (朝田)


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